上映した映画



アントン・コービン監督 初の長編ドキュメンタリー
ロックに革命を起こした伝説のデザイン集団の物語


イギリスの写真家・映画監督アントン・コービンが初めて手がけた、1970年代を中心に、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーといった人気アーティストたちのアルバムデザインを手がけたイギリスのデザイン集団「ヒプノシス」についての長編ドキュメンタリー作品。アートワークでロックを芸術に昇華し、その独創的なデザインは、それまで宣伝用パッケージに過ぎなかったレコードジャケットの概念をくつがえし、芸術の域にまで高めた。本作は、半世紀の時を超え、今なお音楽史に燦然と輝く彼らのジャケットデザインの真相に迫る。

2023年製作/101分/イギリス
原題または英題:Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis
配給:ディスクユニオン


あらすじ



本作では、ヒプノシス創業者のストーム・トーガソンとオーブリー・パウエル、ふたりを支えたカメラマンやグラフィックのスタッフ達に加え、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーらアーティスト本人によるジャケット制作秘話はもちろん、その当時の貴重なインタビューや写真・映像の数々が映し出される。半世紀の時を超え、今なお音楽史に燦然と輝く彼らのジャケットデザインの真相に迫るドキュメンタリー。




解説


ロックに革命を起こした
伝説のデザイナー集団


人気アーティストたちのアルバムデザインを手がけたイギリスのデザイン集団「ヒプノシス」。斬新・奇抜・洗練…あらゆる言葉が相応しいその独創的なデザインは、それまで宣伝用パッケージにすぎなかったアルバム・ジャケットを芸術の域に高めた。本作では、ストームとオーブリーが語る制作秘話、ふたりを支えたカメラマンやグラフィックのスタッフ、レジェンドアーティストら本人による証言はもちろん、貴重なインタビューや写真・映像の数々が映し出される。


ヒプノシス Hipgnosis (1968-1983)


ストーム・トーガソン、オーブリー・“ポー”・パウエルが共同で創立したイギリスのデザイン・アート集団。ケンブリッジでピンク・フロイドのメンバーと出会いジャケットやツアーポスターの制作を開始。後にピーター・クリストファーソンが加わり、1970年代を中心に、ピンク・フロイド、ジェネシス、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーら数々のアーティストのカバーアートを創作。その後MTVの登場など時代の変化に押され、1983年にチームは解散。ストームは2013年に死去。ピーター・クリストファーソンも2010年に死去している。

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カウリスマキから愛する地元カルッキラへ
手づくりの贈りもの


本作は、豊かな自然の中で芸術を愛して暮らす人々の、映画とカルッキラという町への想いをめぐる物語。アキ・カウリスマキをフィーチャーした初めてのドキュメンタリー映画でもあり、そこには彼の理想の映画館“キノ・ライカ”が町にもたらした変化の兆しと、これからの映画館の可能性がとらえられている。監督を務めたヴェリコ・ヴィダクは、妻と生後8ヶ月の娘を連れて、カルッキラに1年間滞在し、本作の撮影に挑んだ。

2023年製作/81分/フランス・フィンランド合作
原題または英題:Cinema Laika
配給:ユーロスペース


あらすじ



北欧フィンランドの鉄鋼の町カルッキラ。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳物工場しかなかった人口9000人の小さなその町に、はじめての映画館“キノ・ライカ”がまもなく誕生する。元工場の一角で自らの手で釘を打ち、椅子を取りつけ、スクリーンを張るのは映画監督のアキ・カウリスマキと仲間たち。キャデラックにバイク、ビールと音楽。まるでカウリスマキの映画から抜けでたようなその町で、住人たちは映画館への期待に胸をふくらませ、口々に映画について話しだす…。




解説


アキ・カウリスマキの映画館キノ・ライカへようこそ


劇中では、カウリスマキと共同経営者の作家のミカ・ラッティが、2021年に映画館"キノ・ライカ"がオープンするまでの様子やインタビューに応える姿、カウリスマキ自身が朝7時から夕方5時まで館内の内装や看板設置など、ありとあらゆる作業を行い映画館づくりに勤しむ貴重な映像が数多く収められている。
また、カウリスマキにまつわる様々な人物たちも登場。『枯れ葉』に出演した女性デュオのマウステテュトットや『希望のかなた』のヌップ・コイヴ、サイモン・フセイン・アル・バズーン、『ラヴィ・ド・ボエーム』のエンディング曲「雪の降る町を」や『枯れ葉』の劇中歌「竹田の子守唄」を歌っているフィンランド在住の日本人・篠原敏武、『オリ・マキの人生で最も幸せな日』、『コンパートメントNo.6』のユホ・クオスマネン監督、そして、盟友ジム・ジャームッシュ監督がカウリスマキとの思い出話や映画への想いを語る。カウリスマキ作品ファンはもちろん、映画ファンも必見の一作となっている。


キノ・ライカ Kino Laika


ヘルシンキから車で1時間の町カルッキラに、アキ・カウリスマキと作家で詩人のミカ・ラッティが2021年10月8日に開いた映画館。ワインバーや川沿いのテラスを併設し、毎月コンサートを開催しているほか展覧会なども行うなど、街の複合文化施設としての役割も担う。

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第77回カンヌ国際映画祭 ゴールデン・アイ賞 ノミネート作品(2024年)


アルノー・デプレシャン監督が映画ファンに贈る
映画と映画館への愛に溢れたシネマ・エッセイ


フランスの名匠アルノー・デプレシャンが自身の映画人生を投影しながら、映画の魅力を観客の視点から語り尽くした自伝的シネマエッセイ。
本編には、映画史に功績を残した50本以上の名作が登場。リュミエール兄弟による映画の発明からアベル・ガンスの『ナポレオン』(27)、フランク・キャプラ『或る夜の出来事』(34)、アルフレッド・ヒッチコック『北北西に進路を取れ』(59)、黒澤明『乱』(85)、クロード・ランズマン『SHOAHショア』(85)、ジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』(91)、『ノッティングヒルの恋人』(99)など、世界中の様々なジャンルの映画が洪水のようにスクリーンを駆け巡る。そのほか、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマンらの映画も登場。デプレシャン監督が尊敬するアメリカの哲学者スタンリー・カヴェルやフランスの批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら、“映画とは何か”に迫る。

2024年製作/88分/フランス
原題または英題:Spectateurs!
配給:アンプラグド


あらすじ



19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす、アルノー・デプレシャン監督が映画ファンに贈る、映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマ・エッセイ。デプレシャン監督の過去作『そして僕は恋をする』(96)や『あの頃エッフェル塔の下で』(15)でマチュー・アマルリックが演じる主人公ポール・デュダリスに、監督自身を投影し、初めて映画館を訪れた幼少期、映画部で上映会を企画した学生時代、評論家から映画監督への転身を決意した成人期を、映画史と共に描いた自伝的映画となっている。




解説


映画の魔法にかかった私たちの人生を50本以上の世界中の名作と共に辿る


19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす、映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマ・エッセイ。デプレシャン監督は、『キングス&クイーン』(04)や『クリスマス・ストーリー』(08)などで、数々の映画賞にノミネートされ、日本の映画ファンからも人気高い名匠。本作も、第77回カンヌ国際映画祭で特別上映され、最優秀ドキュメンタリー賞にあたるゴールデン・アイ賞にノミネートされた。映画ファンから絶賛の声が上がった話題作。デプレシャン監督の過去作『そして僕は恋をする』(96)や『あの頃エッフェル塔の下で』(15)でマチュー・アマルリックが演じる主人公ポール・デュダリスに、監督自身を投影した自伝的映画になっている。初めて映画館を訪れた幼少期、映画部で上映会を企画した学生時代、評論家から映画監督への転身を決意した成人期を、映画史と共に描く。マチュー・アマルリックは本人役として出演。祖母役をジャン・ユスターシュ監督の傑作『ママと娼婦』(73)で知られるフランソワーズ・ルブランが、14歳のポール役を『落下の解剖学』(23)の視覚障害のある息子役で注目を浴びたミロ・マシャド・グラネールが演じている。


デプレシャン監督が贈る映画と映画館へのラブレター


ドラマとドキュメンタリーを融合したハイブリッドな構成で綴られる本作。フィクションのシーンには、一般の観客が映画体験エピソードを語るインタビューシーンが挟まれる。「本作の主題は“私たち”映画の観客」と監督が語るように、観客の視点で映画愛が描かれる。シネ・ヌーヴォ(大阪)やアンスティチュ・フランセ(東京)など、日本の映画館の登場も見逃せない。映画は私たちの人生にどれほどの影響をもたらすのか。

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第76回 カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品(2023年)


早熟の異才モレッティ監督 5 0 年のキャリアの集大成?


23歳でデビューの後、若くしてその才能を認められ40歳を迎える頃にはカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭を制覇し、モレッティアーノと言われる熱狂的なファンを持つモレッティ監督。マチュー・アマルリックは10代の頃からモレッティの映画の世界に魅了されていたと語り、彼の映画から生まれたいくつかの名言は作品を知らないZ世代のミームにさえなっている。スクリーンの前で自分の人生を演じ同時代人の圧倒的な支持を得てきた彼は常に前向きな現代社会の観察者だった。知的で辛辣だが楽観的な未来を夢見ている。老境に差しかかった映画監督が激しい時代の変化に適応する難しさを面白おかしく描いたコメディが本作だ。監督はこの映画が彼のキャリアの第一段階の集大成の作品だという。

2023年製作/96分/G/イタリア・フランス合作
原題または英題:Il sol dell'avvenire
配給:チャイルド・フィルム


あらすじ



完璧のようにみえていた映画監督ジョヴァンニの人生。順調なキャリア、傍にはプロデューサーの妻、溢れんばかりの新作のアイディア。でも、そう思っていたのはジョヴァンニだけだった!チネチッタ撮影所で新作の撮影が始まると、畳みかけるようにジョヴァンニを災難が襲う。女優は大嫌いなミュールを履いてきた上に演出に口を出し、プロデューサーは詐欺師だったと判明、妻には突然別れを告げられる!映画は完成するのか?家族の愛をとり戻せるのか?変化の激しい時代に、ちょっと取り残されて、戸惑うジョヴァンニが見つけた人生で本当に大切なこととは?




解説


映画についての映画


モレッティには『ナンニ・モレッティのエイプリル』『母よ、』など映画の中で映画を撮る作品が何本もある。監督は多くの場合が彼の分身で、時代ごとにモレッティが感じる社会への違和感を表現してきた。本作で主人公ジョヴァンニが撮影しているのは1950年代を舞台にした政治がテーマ(と本人は思っている)映画。さらに脚本家たちとアメリカの作家ジョン・チーバーの短編小説「泳ぐ人」の脚本を執筆中。頭の中では映画館で出会った若いカップルの音楽が中心のラブストーリーが進行中だ。モレッティの大好きなフェリーニの『甘い生活』(本編にも登場する)と『8 2/1』。モレッティの偉大な支援者タヴィアーニ兄弟、キェシロフスキからスコセッシまで映画の力を信じるモレッティの監督たちと映画への敬意と愛に溢れた作品だ。


数々の名作が生まれた場所チネチッタ撮影所


撮影が行われたのは90年余の歴史を持つヨーロッパ最大の撮影スタジオで、フェデリコ・フェリーニ『アマルコルド』『青春群像』、ウィリアム・ワイラー『ベン・ハー』、ルキノ・ヴィスコンティの『ベリッシマ』、ピエル・パオロ・パゾリーニ『ソドムの市』、マーティン・スコセッシ『ギャング・オブ・ニューヨーク』やフランシス・フォード・コッポラ『ゴッドファーザー』、最近ではルカ・グァダニーノ『Queer』など数々の映画の撮影が行われた。夢の工場とも呼ばれ約3,000本の映画がこのスタジオで撮影され、そのうち90本がアカデミー賞にノミネートされ、51本が受賞している。日本映画の『テルマエ・ロマエ』などの撮影も行われた。

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繋がりにつながれて、真夜中


今年デビュー20周年を迎える七里圭監督。劇場初作品の『のんきな姉さん』(04)で注目され、カルト的な人気を誇る『眠り姫』(07)や『DUBHOUSE』(12)、「音から作る映画」プロジェクト(14〜18)、『背 吉増剛造×空間現代』(22)など、常に先鋭的な作品を生み出してきた異才である。唯一無二のフィルモグラフィーを重ねる七里監督にとって、最新作『ピアニストを待ちながら』は久々の劇映画となる。

ピアニストを待ちながら
2024年製作/61分/日本
配給:合同会社インディペンデントフィルム

のんきな姉さん デジタルリマスター版
2004年製作(デジタルリマスター 2022年)/87分/日本
配給:charm point


『ピアニストを待ちながら』・『のんきな姉さん』 上映スケジュール



七里圭監督来館! 1月18日(土)19日(日)



『ピアニストを待ちながら』・『のんきな姉さん』の監督、七里圭(しちりけい)さんに舞台挨拶をしていただけることが決定しました。
以下が舞台挨拶のスケジュールです。


18日(土)
3回目(16:30ー)上映後、4回目(19:30ー)上映後

19日(日)
1回目(10:30ー)上映後


主催:シネマポスト、一般社団法人コミュニティシネマセンター
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(次代の文化を創造する新進芸術家育成事業))
独立行政法人日本芸術文化振興会




経歴


1967 年生まれ。早稲田大学卒業。シネマ研究会に所属し、先輩の手伝いから映画製作の現場で働くようになる。約 10年間の助監督経験、テレビドラマ等の演出を経て、山本直樹原作『のんきな姉さん』、短編『夢で逢えたら』 (ともに2004)で監督デビュー。しかし、『マリッジリング』(2007)以外は自主製作に転じて、異色の作品を発表。声と気配で物語をつづる『眠り姫』(2007/サラウンド リマスター版 2016)が、15 年間毎年アンコール上映を繰り返し、代表作となる。一方で、建築家・鈴木了二と共作した『DUBHOUSE』(2012)が第42回ロッテルダム国際映画祭他ヨーロッパ・北米のエクスペリメンタルな映画祭を席巻し国際的な評価を得る。この頃から、他ジャンルのアーティストとのコラボレーション作品も多くなり、「音から作る映画」プロジェクト(2014~2018)、「シネマの再創造」(2019~)など実験的な映画制作、映像パフォーマンスも手掛けるようになる。2020年にはロックダウン直前のベルリンとパリでの招聘公演が好評を博す。コロナ禍を経て、村上春樹ライブラリー・イメージ映像「The Strange Library」(2021)、記録映画『背 吉増剛造 × 空間現代』(2022)を公開。昨年は、「石巻ハ、ハジメテノ、紙ノ声、……」(京都芸術劇場春秋座)、「Music as film」Realtime voice-over and remix(東京ゲーテ・インスティチュート)、「清掃する女:亡霊」(早稲田小劇場どらま館)と三つの上演映像作品を演出。
2017年、山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション審査員。2003 年から 2016 年まで TBS「THE 世界遺産」の構成作家も務めた。2019 年より多摩美術大学非常勤講師。最初の作品は、高校時代に PFF‘85 に入選した(推薦:大島渚)8 ㎜映画『時をかける症状』(1984)。


作品


●長編劇場公開映画/監督
2004 年 のんきな姉さん
2006 年 ホッテントットエプロン―スケッチ
2007 年 眠り姫(2016 年サラウンドリマスター版)
2007 年 マリッジリング
2016 年 サロメの娘 アナザサイド( in progress ) ※
2017 年 アナザサイド サロメの娘 remix ※
2018 年 あなたはわたしじゃない(サロメの娘 ディコンストラクション)※
2022 年 背 吉増剛造× 空間現代
2023年 清掃する女:亡霊

●短・中編映画/監督
2004 年 夢で逢えたら
2008 年 once more
2010 年 Aspen
2012 年 DUBHOUSE
2014 年 To the light 1.0、2.0
2014 年 映画としての音楽 ※
2015 年 ドキュメント・音から作る映画 ※
2016 年 Music as film ※
2018 年 入院患者たち
2019 年 Necktie
2021 年 La Boussole
2021 年 村上春樹ライブラリー・イメージ映像「The Strange Library」
2022 年 The cleaning lady after 100 years : Spectre
2024年 ある渡り鳥を探して
(※は「音から作る映画」プロジェクト作品)

●長編劇場公開映画/脚本
2004 年 犬と歩けば チロリとタムラ (監督:篠崎誠)
2005 年 L'amant ラマン (監督:廣木隆一)

●テレビドラマ/オリジナルビデオ
1998 年 七瀬ふたたび(第9話・第10話)
1998 年 独房 X(新任女刑務官 檻の中の花芯)


ピアニストを待ちながら



目覚めるとそこは真夜中の図書館だった。瞬介(井之脇海)が倒れていた階段の両側には、吹き抜けの天井まで高く伸びた本棚がそびえ、あちこちの段に小さなヒトガタが潜んでいる。扉という扉を開けて外に出てみるが、なぜか館内に戻ってしまう。途方に暮れた瞬介は、導かれるようにして一台のグランドピアノを見つけ、そっと鍵盤を鳴らす。
やがて瞬介は、旧友の行人(大友一生)とその彼女だった貴織(木竜麻生)に再会する。三人は大学時代の演劇仲間だった。行人と貴織はもう随分前からここにいるらしい。他にも、見知らぬ中年男の出目(斉藤陽一郎)や謎の女絵美(澁谷麻美)もいる。行人は、この状況を逆手にとって、かつて上演できなかった芝居の稽古を始める。それは、行人が作・演するはずだった「ピアニストを待ちながら」。しかし、瞬介には気になることがあった。確か、行人は死んだはずでは……?




解説


世界的建築家・隈研吾が手掛けた村上春樹ライブラリーで全編撮影!
出られない図書館を舞台に描く
目に見えないものに紐付けられた若者たちの物語


このおかしな物語は、私たちが経験したコロナ禍や、今や当たり前になったオンライン、SNSでの非対面コミュニケーションの奇妙さを暗示している。20世紀の不条理は、すでにリアル。私たちは、いつも不在の相手につながれて、待たされて、くたびれている。サミュエル・ベケットの有名戯曲を思わせる題名に、その意図が込められている。
映画の舞台となるのは、世界的な建築家の隈研吾が手掛けた、村上春樹ライブラリー。村上文学をイメージした迷宮的空間で全編撮影されたことも、見どころの一つだ。 本作は、この村上春樹ライブラリー(早稲田大学国際文学館)の開館記念映画として製作された短編をもとに、約1時間の劇場公開(ディレクターズカット)版として完成された作品である。

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のんきな姉さん デジタルリマスター版



姉との禁じられた愛の記憶を小説に書き、雪山で自殺しようとする弟と、聖なる夜にオフィスで残業する姉。その二人の現在に、記憶=小説がフラッシュ・バックされていく。雪山と都会、現在と過去という二つの時間が溶け合う瞬間、弟のささやく声は物語の全てを宙づりにする・・・。




解説


七里圭監督初の劇場用長篇作


七里圭監督の長編映画デビュー作。敬愛する山本直樹の同名漫画を原作にし、その漫画の霊感源、唐十郎『安寿子の靴』、森鴎外『山椒大夫』までも射程に収めた。夢のような物語を綴る淡い光とゆらめく影は、名手たむらまさきの撮影。35mmフィルムならではの温もりある質感を、渾身のレストア作業で可能な限り再現したデジタルリマスター版を上映いたします。









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