上映した映画



第 68 回 ベルリン国際映画祭フォーラム部門 カリガリ映画賞
第 42 回 アヌシー国際アニメーション映画祭 審査員賞
第 41 回 ボストン映画批評家協会賞 長編アニメーション賞
第 42 回 ポートランド国際映画祭 長編アニメーション賞
第 2 回 イベロアメリカ・アニメーション・キリノ・アワード ビジュアルデベロップメント賞 ほか


チリの2人組監督クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャの初長編作品で、ピノチェト軍事政権下のチリに実在したコミューン「コロニア・ディグニダ」に着想を得て制作したストップモーションアニメ。

美しい山に囲まれたチリ南部で、「助けあって幸せに」をモットーに掲げて暮らすドイツ人集落。動物が大好きな少女マリアは、ブタを逃してしまったために厳しい罰を受け、耐えきれず集落から脱走する。森の中の一軒家に逃げ込んだ彼女は、そこで出会った2匹の子ブタにペドロとアナと名づけて世話をするが、やがて森の奥からマリアを探すオオカミの声が聞こえてくる。マリアがおびえていると子ブタは恐ろしい姿に変わり、家は悪夢のような世界と化す。

2018年・第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でカリガリ映画賞、第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞した。

2018年製作/74分/G/チリ
原題:La Casa Lobo
配給:ザジフィルムズ


あらすじ



美しい山々に囲まれたチリ南部のドイツ人集落。“助け合って幸せに”をモットーとするその集落に、動物が大好きなマリアという美しい娘が暮らしていた。ある日、ブタを逃がしてしまったマリアは、きびしい罰に耐えられず集落から脱走してしまう。逃げ込んだ一軒家で出会った 2 匹の子ブタに「ペドロ」「アナ」と名付け、世話をすることにしたマリア。だが、安心したのも束の間、森の奥から彼女を探すオオカミの声が聞こえはじめる。 怯えるマリアに呼応するように、子ブタは恐ろしい姿に形を変え、家は悪夢のような禍々しい世界と化していく……。




解説


アリ・アスターが魅了されたストップモーション・アニメ!
チリのアーティスト・デュオ《レオン&コシーニャ》による
初長編『オオカミの家』と短編『骨』
待望の日本劇場公開!


クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャの二人組による初の長編映画『オオカミの家』は、ピノチェト軍事政権下のチリに実在したコミューン【コロニア・ディグニダ】にインスパイアされた “ホラー・フェアリーテイル” アニメーション。チリ南部のある施設から逃走し、森の中の一軒家で二匹の子ブタと出会った娘マリアの身に起きる悪夢のような出来事を描いている。

レオン&コシーニャが監督のほかに脚本、美術、撮影、アニメーションなどを務めた。撮影場所は、チリ国立美術館やサンティアゴ現代美術館のほか、オランダ、ドイツ、メキシコ、アルゼンチンにある10カ所以上の美術館やギャラリー。実寸大の部屋のセットを組み、ミニチュアではない等身大の人形や絵画をミックスして制作、制作過程や制作途中の映像をエキシビションの一環として観客に公開するという手法で映画を完成させた。企画段階を含めると完成までに5年の歳月を費やしており、ワールドプレミアとなった第68回ベルリン国際映画祭ではカリガリ映画賞を、第42回アヌシー国際アニメーション映画祭では審査員賞を受賞するなど世界各国で数々の賞を受賞している。

全編カメラが止まることなく、最後までワンシーン・ワンカットで空間が変容し続ける“異形”のストップモーション・アニメーション。その特異な才能の素晴らしさは、『ミッドサマー』で知られるアリ・アスターが一晩に何度も鑑賞し、自ら二人にコンタクトをとったというエピソードからも伝わるだろう。彼らと意気投合したアスターは、今回同時上映となる短編『骨』の製作総指揮に名乗りを上げ、さらに自身の最新作『Beau is Afraid』内の12分にも及ぶというアニメ・パートも彼らに依頼した。ほかに、トム・ヨークの新バンドThe SmileやPJ ハーヴェイのミュージックビデオを監督したことも話題に。2021年には、アメリカのゲーム・エンタメ情報サイト「IGN」の歴代アニメーション映画ベスト10に選出。同年Varietyの「観るべき10人のアニメーター」にも選出された。




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同時上映:短編『骨』



第 78 回ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ部門 最優秀短編映画賞
ひろしまアニメーションシーズン 2022 環太平洋・アジアコンペティション最優秀賞
第 54 回シッチェス・カタロニア国際映画祭 批評家賞 最優秀短編映画賞
第 12 回コルドバ国際アニメーションフェスティバル 審査員特別賞(ラテンアメリカコンペティション部門) 第 46 回香港国際映画祭 短編部門審査員賞   ほか


2023年、美術館建設に伴う調査で、ある映像が発掘された。それは、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行っているもので……。1901年に制作された、作者不明の世界初のストップモーション・アニメ(という設定)。


ルール


  1. 連続性はない
  2. 光は太陽から来る
  3. 1900年に作られた作品である
  4. これは劇場だ
  5. 死体と幽霊だ
  6. 儀式だ
  7. 史上初のアニメーションだ
  8. 少女は何でもやる
  9. 発見された映画フィルムだ
  10. パンデミックの渦中にいる(マスクをつけよう!)
  11. 全部フィックスの画だ







2022年・第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)


韓国の名匠ホン・サンスが2人の女性アーティストの友愛と連帯を描き、2022年・第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)を受賞したドラマ。

著名な小説家だがスランプに陥り長らく執筆から遠ざかっているジュニは、音信不通になっていた後輩を訪ねるため、ソウルから離れた閑静な町・河南市へやってくる。そこで偶然知りあった元人気女優ギルスに興味を抱いたジュニは、彼女を主演に短編映画を制作したいと提案。かつて成功を収めながらも人知れず葛藤を抱えてきた2人は、思いがけないコラボレーションをすることになる。

ホン監督の公私にわたるパートナーであるキム・ミニが女優ギルス、「あなたの顔の前に」のイ・ヘヨンが小説家ジュニを演じ、共演にもソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、キ・ジュボンらホン監督作の常連俳優が顔をそろえた。

2022年製作/92分/G/韓国
原題:The Novelist's Film
配給:ミモザフィルムズ


あらすじ



長らく執筆から遠ざかっている著名作家のジュニが、音信不通になっていた後輩を訪ね、ソウルから離れた旅先で偶然出会ったのは、第一線を退いた人気女優のギルス。初対面ながらギルスに興味を持ったジュニは、彼女を主役に短編映画を撮りたい、と予想外の提案を持ち掛ける。かつて名声を得ながらも内に葛藤を抱えたふたりの思いがけないコラボレーションの行方は……。




解説


「私たち、一緒に映画を作りませんか?」
小説家と女優、ふたりの女性の幸福なめぐり合わせが生んだ、とっておきの映画体験


世界を席巻する韓国映画界の中で、独自のスタイルと映像表現で魅了し、日本でも新たなファンを獲得し続けている名匠ホン・サンス。長編第27作目となる本作は2022年の第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)に輝き、3年連続4度目の銀熊賞受賞を果たした記念すべき注目作。


キム・ミニ 『逃げた女』×イ・ヘヨン 『あなたの顔の前に』
迷いを抱えながら、人生の新たな可能性に向かって共に歩み出す女性たちの友愛と連帯の物語


主演にはパク・チャヌク監督の『お嬢さん』(16)で世界を魅了し、ホン・サンス監督の公私にわたるパートナーとして『逃げた女』(20)以来の主演を果たしたキム・ミニ、そして前作『あなたの顔の前に』(21)でホン監督作品に初出演し、絶賛を博したベテラン女優イ・ヘヨンを迎え、韓国を代表する二大女優の夢の共演が実現。
主人公のふたりをはじめ、彼女たちの行く手に現れるのは、創作活動に行き詰まったり、何かに挫折した女性たちだ。アーティスト/表現者として成功を収めながらも、共に人知れず迷いを抱えたふたりの女性が偶然の出会いを通して、人生の新たな可能性に向かって共に歩み出していく姿を映し出し、女性たちのめぐり合い、友愛と連帯の芽生えをほのかな幸福感にくるんで紡ぎ上げた。



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第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 [クリスタル・グローブ・コンペティション部門]
第23回東京フィルメックス[コンペティション部門 観客賞受賞]
第44回カイロ国際映画祭 [インターナショナル・パノラマ部門]
第53回インド国際映画祭(ゴア)[シネマ・オブ・ザ・ワールド部門]
ヨハネスブルグ映画祭
フランクフルトNIPPON CONNECTIONコンペ部門


沖縄県のコザで幼い息子を抱えて暮らす17歳の女性が、社会の過酷な現実に直面する姿を描いたドラマ。

沖縄のコザで夫と幼い息子と暮らす17歳のアオイは、生活のため友達の海音と朝までキャバクラで働いている。建築現場で働く夫のマサヤは不満を漏らして仕事を辞めてしまい、新たな仕事を探そうともしない。生活が苦しくなっていくうえに、マサヤはアオイに暴力を振るうようになっていく。そんな中、キャバクラにガサ入れが入ったことでアオイは店で働けなくなり、マサヤは貯金を持ち出し、行方をくらましてしまう。仕方なく義母の家で暮らし、昼間の仕事を探すアオイにマサヤが暴力事件を起こして逮捕されたとの連絡が入る。

「すずめの戸締まり」に声優として出演した花瀬琴音が主人公アオイ役を演じ、映画初主演を果たした。「アイムクレイジー」の工藤将亮監督が、実際に沖縄で取材を重ねて脚本を執筆し、オール沖縄ロケで撮影を敢行した。第23回東京フィルメックスのコンペティション部門で観客賞を受賞。

2022年製作/128分/PG12/日本
配給:ラビットハウス


工藤将亮監督来館予定! 10月14日(土)15日(日)



当館のオープニング映画として公開記念として、「遠いところ」の監督、工藤将亮(くどうまさあき)さんが来館いたします。以下がご挨拶のスケジュールです。


14日(土)
3回目(16:30ー)上映後、4回目(19:30ー)上映後

15日(日)
1回目(10:30ー)上映後、2回目(13:30ー)上映前


主催:シネマポスト、一般社団法人コミュニティシネマセンター
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(次代の文化を創造する新進芸術家育成事業))
独立行政法人日本芸術文化振興会




経歴


ビジュアルアーツ専門学校大阪、放送映画学科卒業。専門学校在籍中に京都の撮影所でエキストラや美術のバイトなどで働き出す。卒業後、松竹京都撮影所に演出部として入社。時代劇からファンタジー作品など数多くの作品に携わる。その後、東京に移り活動の場を広げる。主に師事した監督として森田芳光、行定勲、石井岳龍、東陽一などがいる。

2017年初監督作品「アイムクレイジー」を製作。同作は2018年第22回プチョン国際ファンタスティック映画祭に出品され、最優秀アジア映画賞(NETPAC賞)を受賞する。

2020年コロナ禍の中で製作した「未曾有」が2021年第25回タリンブラックナイト映画祭に正式出品される。

三作目である「遠いところ」が2022年7月、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のメインコンペティションに選ばれる。


作品


映画
アイムクレイジー(2019年、ザフール)–監督・脚本
未曾有(公開未定、アレン)–監督・脚本・編集・共同プロデューサー
遠いところ(2023公開予定、ザフール/アレン)–監督・脚本・編集

テレビ
ワカコ酒 Season 2 「第7話」「第8話」(2016年、BSジャパン、テレビ東京)–監督

ミュージックビデオ
クリスマス/サニーデイ・サービス(2017年、12月25日)–監督・脚本・編集・製作

助監督
闘茶〜Tea Fight〜(2008、ムービーアイ)–助監督
アルカナ(2013年、日活)–助監督
うつくしいひと(2016年、セカンドサイト)–助監督
幼な子われらに生まれ(2017年、ステューディオスリー)–助監督
うつくしいひと サバ?(2017年、セカンドサイト)–助監督


主な受賞


2018年 - 第22回プチョン国際ファンタスティック映画祭 - 最優秀アジア映画賞(『アイムクレイジー』)


あらすじ



沖縄県沖縄市 コザ。17歳のアオイは、夫のマサヤと幼い息子の健吾(ケンゴ)と3人で暮らしている。
おばあに健吾を預け、友達の海音(ミオ)と朝までキャバクラで働くアオイ。マサヤは仕事を辞め、アオイへの暴力は日に日に酷くなっていく。キャバクラで働けなくなったアオイは、マサヤに僅かな貯金も奪われ、仕方なく義母の由紀恵(ユキエ)の家で暮らし始める。生活のために仕事を探すアオイだったが、そこには一筋縄ではいかない現実があった




解説


2020年代に入って国際的な映画賞や映画祭では、“社会的に過酷な立場に置かれた女性の姿”を描いた作品が高い評価を得ている。例えば、第77回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝き、第93回アカデミー賞では作品賞に輝いた『ノマドランド』(21)はその代表だろう。その潮流は、第78回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞に輝いた『あのこと』(21)、第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いた『17歳の瞳に映る世界』(20)など、若い世代の女性たちが社会の過酷な現実と静かに闘う姿を描く映画を輩出させた。

日本でも不法に働くベトナム人女性たちの姿を描いた『海辺の彼女たち』(21)や、日本で育ったクルド人の女子高生が、突然の難民申請不認定の理不尽さに対峙する姿を描いた『マイスモールランド』(22)が劇場公開されている。若手映画監督たちが“社会的に過酷な立場に置かれた女性”を描くことで、社会に対して問題提起を行い、インディーズ映画界で気炎を吐く傾向を生み出しているのだ。

『遠いところ』(23)も、斯様な映画製作の国際的潮流に合致する作品なのである。この映画は沖縄市のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳のアオイ(花瀬琴音)が、社会の過酷な現実に直面する姿を描いている。沖縄では、一人当たりの県民所得が全国で最下位。子ども(17歳以下)の相対的貧困率は28.9%となっている。相対的貧困率の全国平均が13.5%であることを考慮すると、沖縄の厳しい現実が浮き彫りとなる。

現在、沖縄は非正規労働者の割合や、ひとり親世帯(母子・父子世帯)の比率でも全国1位だという現状にある(2022年5月公表「沖縄子ども調査」)。さらに、若年層(19歳以下)の出産率でも全国1位となっているように、窮状は若年層に及んでいることが窺える。2015年以降、 “子どもの経済的困窮”や“シングルマザーの実態”、或いは、“DV(ドメスティック・バイオレンス)のメカニズム”を取材したルポルタージュが、日本で同時多発的に出版されてきたという経緯がある。本作では構想に3年を費やし、それらの書籍に登場する若者に似た環境で生活する少女たちを、脚本開発のために独自取材をしている。

小説や漫画などの原作を基に映画化された作品が量産されている日本映画界において、この映画はオリジナル脚本の作品として製作されているのも特徴のひとつ。繁華街を拠点にする若者から、生活困窮者に対する支援団体に至るまで徹底的な取材を重ねて、社会的にも経済的にも困窮した若年層の過酷な現実を脚本に投影させている。またリアリティを追求するために、予算が潤沢ではないインディーズ映画ながら、全編沖縄ロケにこだわって撮影されている点も重要だ。


本作の監督は長編デビュー作『アイム・クレイジー』(19)で、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)に輝いた工藤将亮。森田芳光、滝田洋二郎、行定勲、白石和彌など、日本映画界を代表する映画監督の現場で助監督を務め、幅広いジャンルの作品で実績を積んできたという経歴がある。

長編映画3作目の『遠いところ』は、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最高賞を競うコンペティション部門に正式出品。全世界から応募のあった約1500本の映画の中から12本のコンペティション作品のひとつに選ばれ、現地でワールドプレミア上映が行われた。

メインコンペティションであるクリスタル・グローブ・コンペティション部門に日本映画が選出されたのは、実に10年ぶりのこと。『遠いところ』は上映前の評価も高く、約1200席ある上映会場のチケットは事前に完売。上映後は約8分間にわたるスタンディング・オベーションによって、観客から熱狂的に迎えられた。現地メディアからも絶賛の嵐で、映画祭のゲストとして参加していたアカデミー賞俳優のジェフリー・ラッシュからも賞賛された。

この映画で主人公アオイを演じたのは、これが映画初主演となった花瀬琴音。彼女は撮影前の1ヶ月間、実際に沖縄で生活している。自身の素性を隠しながら、映画のモデルとなったキャバクラ店で働くなど、徹底的な役作りを行なった。その結果、東京生まれ・東京育ちである彼女が、沖縄在住の方々から見ても、違和感なく“沖縄で生まれ育った若者”に見えるアオイ像を体現。工藤将亮監督は、彼女の風体を「まるで野良犬のようだ」と評している。

アオイの友人役・海音を演じた石田夢実も、本作が映画初出演。作品のリアリティを重視したいという製作側の想いから、主要キャストは新人もしくはデビュー間もない俳優が起用されている。また石田夢実をはじめ、アオイの夫マサヤ役を演じた『衝動』(21)の佐久間祥朗など、オーディションで選ばれた若手俳優たちが、花瀬琴音と同様に撮影1ヶ月前から現地に入っている。沖縄市コザで実際に生活することによって体感したリアルな感覚は、各々が演じる役に反映。彼らをキャスティングしたことが、『遠いところ』のリアリティを際立たせる要因のひとつにもなっている。

一方、脇を固める出演陣には、沖縄を代表する俳優で、朝ドラ「ちむどんどん」にも出演している吉田妙子や、『義足のボクサー』(21)の尚玄など、沖縄に所縁のある俳優を配置。さらに『罪の声』(20)の宇野祥平、『妖怪シェアハウス』(22)の池田成志、『辻占恋慕』(22)の早織、『夜明けの夫婦』(22)の岩谷健司、『あいが、そいで、こい』(19)の髙橋雄祐、『ケンとカズ』(16)のカトウシンスケ、『偶然と想像』(21)の中島歩、『47RONIN』(13)の米本学仁など、工藤将亮監督の熱意に賛同した実力派俳優たちが集結している。

本作のプロデューサーであるキタガワ ユウキは、企画立ち上げから関わった日本・ミャンマー合作映画『僕の帰る場所』(17)で出演と共同プロデューサーを兼任している。先述の『海辺の彼女たち』にも制作協力するなど、“子どもの貧困問題”をモチーフにした国際的な映画製作を実施。また、工藤将亮監督の長編2作目『未曾有』(21)でプロデューサーを担当した縁は、本作を製作する原点にもなっている。

『遠いところ』で描かれているのは、沖縄における局地的な社会問題などではない。むしろ性別や年齢を問わず、世界中のどこでも起こりうる事象なのだと描かれている点が重要なのだ。社会の理不尽と不条理を突きつけられ、悲痛な想いを抱いて絶望しながらも、“生”を渇望するアオイの姿。ひとりの母親が抱く我が子への想いよって、極限の人間ドラマが動き出す。格差社会が拡大するこの国において、“子どもの貧困問題”に対する多角的な議論を促すような令和の野心作がここに誕生した。



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