上映予定の映画



第78回 カンヌ国際映画祭(2025年)「ある視点」部門出品


それは建築か、思想か。


パリのランドマーク「新凱旋門」誕生の舞台裏で国家プロジェクトに翻弄された建築家の数奇な運命を、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。ジャーナリストのロランス・コセによる著書『新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ』を原作に、ステファン・ドゥムースティエが監督を務め、脚本も手がけた。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』のクレス・バングが主人公スプレッケルセンを演じ、彼と協働するフランス人建築家アンドリュー役で『落下の解剖学』のスワン・アルロー、彼らの間を立ち回る官僚シュビロン役で俳優としても活動する映画監督グザビエ・ドランが共演。2025年・第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品。

2025年製作/106分/G/フランス・デンマーク合作
原題または英題:L'inconnu de la grande Arche
配給:ミモザフィルムズ


あらすじ



1983年、パリ。ミッテラン大統領はフランス革命200周年を祝う新モニュメントの建設を構想していた。国際設計コンペで選ばれたのは、無名のデンマーク人建築家ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセン。イタリア・カッラーラ産の大理石によるキューブ状のアーチと、そのふもとに雲のような屋根が浮かぶ大胆なプランは、大統領の心を射止め、彼を一夜にして時の人にした。しかし、完璧を追い求める彼の前には、予算や政治的圧力、周囲の思惑が立ちはだかる。理想を貫くか、現実に折り合いをつけるか。巨大プロジェクトの渦中で、一人の建築家が下す“ある決断”とは――。




解説


パリの名所「新凱旋門」建設の舞台裏


エッフェル塔や凱旋門に次ぐパリのモニュメント、通称「新凱旋門(グランダルシュ)」。ルーヴル美術館のガラスのピラミッドから一直線に連なる「パリの歴史軸」上にそびえ、パリ西部郊外のデファンス地区に建つ、ひと際異彩を放つキューブ状の巨大建築だ。 その完成の裏には、ひとりの名もなき建築家の運命を揺るがした、知られざる物語があった。本作は史実を基に、理想と政治の駆け引きに翻弄されながらも国家的プロジェクトに挑んだ建築家の数奇な人生を、圧倒的な没入感で描いたヒューマンドラマである。実力派キャストによるアンサンブルが作品に確かな説得力を与え、第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、第51回セザール賞8部門ノミネートを果たすなど高い評価を獲得。日本での国立競技場や大阪万博をめぐる議論とも響き合う、必見の“建築ドラマ”。


新凱旋門(グランダルシュ)とは


パリ西部のビジネス街ラ・デファンス地区に建つキューブ状の巨大建築。フランス革命200周年を記念する国家プロジェクトとして建設され、1989年7月14日に落成。20世紀フランスを象徴する公共建築のひとつとして知られている。

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スペインを代表する名匠ホセ・ルイス・ゲリン
10年ぶりの新作⻑編


『シルビアのいる街で』(07)で世界中を魅了し、同じスペイン出身のヴィクトル・エリセ監督をして「現代スペインで最も優れた映画作家」と言わしめたホセ・ルイス・ゲリン監督。そんな彼が10年ぶりに手がけた待望の長編最新作は、スペイン・バルセロナ郊外に位置する、“よき谷”と名付けられたバルボナ地区を舞台とするドキュメンタリー。バルセロナ出身のゲリン監督が3年の歳月をかけて実際に暮らす人々へカメラを向け、その記憶や想い、人と土地との深いつながりを映し出した珠玉の一作。

2025年製作/122分/G/スペイン・フランス合作
原題または英題:Historias del buen valle
配給:コピアポア・フィルム


あらすじ



スペイン、バルセロナ郊外に位置するバルボナ地区。“よき谷”と名付けられたこの場所は川や線路に囲まれ、開発から取り残された陸の孤島でありながら、大都市の近くとは思えないほどの豊かな自然に恵まれた理想郷のようでもある。ここには20世紀半ばから移り住んだ住民の家族と、最近になってやってきた新世代の移民たちが共に暮らしている。文化や生活スタイルは異なるものの、子供たちはともに川で遊び、誰もがよく食べて飲んで、歌い、踊り、ひとときの安らぎを得る。そんな都会のオアシスに、新しく鉄道増設の計画が持ち上がった。住民説明会が開かれ、一部の人々は立ち退きを迫られるが……。




解説


⾏ったことがないのになぜか懐かしい、
ある⼟地とそこに暮らす⼈々の物語────


登場人物は実際にバルボナ地区に暮らす住民たち。地元で長年生活してきた者はもちろん、インド、ジャマイカ、ロシア、ウクライナなど世界中から集まってきた人たちを、バルセロナ出身のゲリンがインタビューするところから始まり、3年の歳月をかけ、愛情を込めて彼らの生活をフィルムに収めた。亡き妻を思い涙する老人、戦火から逃れてきた母娘、植物に話しかける果樹園の家族、ここではないどこかを夢見る若者。住民の数だけ人生があり、人生の数だけ喜びや悲しみがある。それが幾重にも重なり響き合って、バルボナの歴史が鮮やかに綴られ、いつしか観る者を過去、現在、未来までつながった時間の旅へと誘う。ここに来れば忘れかけていたものを思い出させてくれる。そんな宝物のような映画が誕生した。

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第64回 ヴェネチア国際映画祭(2007年)コンペティション部門 正式出品


映画芸術の最前線を切り開くスペインの鬼才


スペインの名匠ビクトル・エリセ監督が「現代スペインで最も優れた映画作家」と称賛したことでも知られる、スペインの俊英ホセ・ルイス・ゲリン監督が2007年に発表した長編劇映画。緻密な音響設計と光溢れる映像美で唯一無二の映画世界を築き上げ、2007年・第64回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された。ゲリン監督の10年ぶりとなる新作『よき谷の物語』の公開を記念し、幻の名作とされる本作のリバイバル上映が決定。当館では9月26日(土)、1日限りの特別上映。

2007年製作/85分/スペイン・フランス合作
原題または英題:En la ciudad de Sylvia
配給:コピアポア・フィルム

※本作は前売・当日ともに、1,300円となっております


あらすじ



ヨーロッパの古都にあるホテルの一室で目覚めた画家志望の青年は、街のカフェで、かつてバーで会ったことのある美しい女性シルビアの姿を見つける。青年はそのシルビアと思しき女性を追いかけ、街中をさまよい歩くが……。




解説


6年前に出会った
美しい女の面影を求めて、
青年はその街をさまよった。


監督自身の実体験を基に、19世紀フランスのロマン派詩人ジェラール・ド・ネルヴァルの『シルヴィー』からヒントを得て製作された本作は、6年前に愛しあった女性シルビアの面影を求めて想い出の地をさまよう画家志望の青年のオブセッションに満ちた恋物語。フランスの古都ストラスブールを舞台に、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』('58)を彷彿とさせるサスペンスに満ちた美女の追跡劇が緻密な音響設計と光溢れる美しい画面の連鎖で展開され、見るものをどこも知らぬ異空間へと誘う。

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第78回 カンヌ国際映画祭(2025年) 批評家週間正式出品作品
第98回 アカデミー賞®(2026年) 国際長編映画賞 台湾代表作品


“左づかい”を祖父に叱られた5歳の少女の瞳には
どんな世界が映るだろう……。


オスカーに輝いた『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカーとの共同監督作『テイクアウト』(04)を発表。以降は『タンジェリン』(15)、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)、『レッド・ロケット』(21)など、ベイカーの監督作をプロデューサーとして支えたツォウ・シーチンの単独監督デビュー作品。iPhoneを駆使して台北でロケを敢行。街の奥へと自在に入り込み、そこに生きる人々の日常を映し出す。ツォウ・シーチンとショーン・ベイカーが共同で脚本を手がけ、ベイカーが編集・製作も担当。

2025年製作/108分/G/台湾・フランス・アメリカ・イギリス合作
原題または英題:左撇子女孩 Left-Handed Girl
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム


あらすじ



台北、夜市・麺屋台。5歳のイージン(ニーナ・イエ)は、借金を背負ったシングル・マザーのシューフェン(ジャネル・ツァイ)とハイティーンの姉イーアン(マー・シーユエン)と共に生活を立て直すべく田舎町から舞い戻る。ある日、昔気質の祖父に利き手である左手を“悪魔の手”とそしられ、罪悪感を抱きはじめたイージン。その悪魔の手は図らずも、家族それぞれがひた隠しにする《罪》をあぶり出していく──。




解説


ショーン・ベイカーと共に20年もの歳月を経て創り上げたのは、
ツォウ・シーチン監督の故郷・台湾を舞台に紡ぐ、多世代家族の物語


オスカーに輝いた『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカーが編集・製作に名を連ね、監督のツォウ・シーチンと共に脚本を手がけた『左利きの少女』。04年にベイカーと『テイクアウト』で共同監督を務め、以降はプロデューサーとして彼を支えてきたツォウ・シーチンが、満を持して単独監督デビューを飾った本作は、25年アカデミー賞®国際長編映画賞・台湾代表に選出され、同賞の最終候補15作品にリストイン。東京フィルメックスでは観客賞、ローマ国際映画祭では最高賞を受賞するなど、広く支持を集めた。


iPhoneが捉えた遊園地のような台北の夜市、そこに息づく日常


賑やかな喧騒と色彩豊かな都会の片隅で、厳しい現実と向き合う母娘の姿を幼いイージンの目線を中心に据えてエネルギッシュ且つ繊細に活写した本作は、人間の清濁を飲み込んだ家族ドラマとして共感を呼び、思いもよらないサプライズと感動をもたらす。ベイカーに強く勧めたことで『タンジェリン』が生まれたように、ツォウ監督はiPhoneを駆使して街の奥へと自在に入り込み、そこに息づく人々の日常を立ち上がらせる。古いしきたり、世代間のギャップ、“左利き”をモチーフとした制約……。パーソナルな物語に文化的・社会的背景を織り交ぜながら、自分らしさを肯定する、温もりの感じられる作品に昇華させた。

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第79回 カンヌ国際映画祭(2026年) コンペティション部門正式出品


この場所で、私は「わたし」に出会う


主演に松たか子、共演に石橋静河、松山ケンイチら実力派キャストを迎えた本作は、第39回岸田國士戯曲賞を受賞した平田オリザの代表作「東京ノート」に着想を得て、カンヌ・ヴェネチアをはじめ世界で高い評価を受ける深田監督自らオリジナル脚本を執筆。同作の精神を受け継ぎながらも「ナギ(岡山県奈義町がモデル)」を舞台に新たな物語を紡ぎ、企画の立ち上げから9年の歳月を経て完成させた意欲作が完成した。
深田監督とは初タッグとなる松たか子が、癒えない喪失を抱えながら彫刻制作に没頭する寄子という複雑なキャラクターを体現。寄子の彫刻のモデルをつとめる友梨を石橋静河、寄子の幼なじみで役場に勤める好浩を松山ケンイチが演じる。2026年・第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。

2026年製作/110分/G/日本・フランス・シンガポール・フィリピン合作
配給:スターサンズ


あらすじ



自然豊かな町「ナギ」。この地でひとり創作に打ち込む彫刻家の寄子のもとに、弟の元妻で建築家の友梨が、休暇をとって東京から訪れる。義理の“元姉妹”である友梨をモデルに彫刻を制作する数日間。若くして妻を亡くした好浩、その息子の春樹と親友の圭太――。異なる場所で生きる寄子と友梨の再会は、穏やかだったナギの日常に小さな揺らぎをもたらしていく。




解説


何を選び、どう生きていくか――
9年の歳月をかけ完成した渾身作


ワールドプレミアとなった第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門での公式上映では、約7分間にも及ぶスタンディングオベーションが巻き起こり、「自分らしく生きることの尊さを描いた傑作」、「今年のベスト映画の一本」、「心を奪われた」と海外メディアからも高い評価を集め、日本公開を前に15を超える国と地域での公開が決定している『ナギダイアリー』。メガホンをとったのは、『淵に立つ』、『LOVE LIFE』、『恋愛裁判』など、独自の映画表現で人間の本質を鋭く捉え、カンヌ、ヴェネチアをはじめ世界的な評価を受ける深田晃司監督。岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・平田オリザの代表作「東京ノート」に着想を得て、監督自ら脚本を執筆。岡山県奈義町をモデルとした架空の町「ナギ」を舞台に新たな物語を紡ぎ、9年の歳月を経て完成させた。


世界が心掴まれた、人生観を揺さぶる唯一無二の人間ドラマ


主演を務めるのは、日本映画界に欠かせない名優・松たか子。本作では、癒えない喪失を抱えたセクシュアルマイノリティの彫刻家・寄子を圧倒的な存在感で体現。また、東京から寄子のもとを訪れ、彫刻のモデルを務める友梨役に、いま最も注目を集める俳優のひとり石橋静河。キーパーソンの好浩を松山ケンイチが演じるなど、屈指の実力派キャストが集結した。多様な価値観や選択肢で溢れるこの時代。自分で何を選び、どう生きていくか――。観る者の人生観を揺さぶる、唯一無二の人間ドラマが誕生した。

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