上映予定の映画



第74回 ベルリン国際映画祭(2024年)最優秀助演俳優賞(銀熊賞)
第74回 ベルリン国際映画祭(2024年)コンペティション部門 出品作品


実話に基づく世界的ベストセラーの映画化


『オッペンハイマー』のキリアン・マーフィが主演を務め、アイルランドの小説家クレア・キーガンによるベストセラー小説『ほんのささやかなこと』を映画化。アイルランドに実在したマグダレン洗濯所の人権問題を背景に、社会が長く黙認してきた現実を知ってしまった者の葛藤と決断を描く。『奇跡の海』のエミリー・ワトソンが修道院の院長シスター・メアリーを演じ、2024年・第74回ベルリン国際映画祭で最優秀助演俳優賞を受賞。原作小説にほれ込んだマーフィが自ら映画化を希望し、初めて製作を担当。マーフィ主演のテレビドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』のティム・ミーランツが監督を務めた。

2024年製作/98分/G/アイルランド・ベルギー合作
原題または英題:Small Things Like These
配給:アンプラグド


あらすじ



舞台は1985年、アイルランドの小さな町。炭鉱商人として生計を立て、家族と慎ましく暮らすビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、クリスマスが近づくある日、石炭を届けに訪れた地元の修道院で、目を背けたくなる現実を目撃する。そこに身を置く少女から「ここから出してほしい」と懇願され、若い女性たちが行き場もなく苦しんでいる現実と向き合うことに。見て見ぬふりをすることが賢明だと理解しながらも、良心の呵責に悩むビル。そんな彼が、ついに下す決断とは――。




解説


キリアン・マーフィーが挑んだ意欲作


第96回アカデミー賞®主演男優賞に輝いた『オッペンハイマー』(23)の後、 キリアン・マーフィーが次なる挑戦として選んだ意欲作。『コット、はじまりの夏』(22)の原作者として知られ、現代アイルランドを代表する作家クレア・キーガンの世界的ベストセラー小説「ほんのささやかなこと」が原作。マーフィーがこの小説にほれ込み、映画化を希望。『オッペンハイマー』撮影中にマット・デイモンに企画を持ち掛け、ベン・アフレックも加わり実現した。マーフィーは本作で初めてプロデューサーとしても名を連ね、キャスティングにも参加。本作は、アイルランドに実在した“マグダレン洗濯所”の人権問題を背景に描かれる人間ドラマ。社会が長く黙認してきた現実を前に、「知ってしまった個人はどう振る舞うのか」を静かに問いかける。言葉を抑え、沈黙と内面の葛藤を徹底的に演じ切るマーフィーの姿が、深い余韻を残す一作。2024年の第74回ベルリン国際映画祭において、シスター・メアリーを演じたエミリー・ワトソンが見事に銀熊賞(最優秀助演賞)を受賞した。

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第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)コンペティション部門 出品作品
第76回 ロカルノ国際映画祭(2023年)観客賞


変えられる
この場所には、希望があるから


イギリスの巨匠ケン・ローチが、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く、イギリス北東部3部作の最終章として撮りあげたドラマ。ローチ監督と数々の名作でタッグを組んできたポール・ラバーティが脚本を手がけ、温かくもリアリズムあふれるまなざしで描き出す。パブの店主TJ役に、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』にも出演したデイブ・ターナー。2023年・第76回ロカルノ国際映画祭で観客賞を受賞。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/113分/G/イギリス・フランス・ベルギー合作
原題または英題:The Old Oak
配給:ファインフィルムズ


あらすじ



イギリス北東部、とある炭鉱の町で唯一のパブ、「オールド・オーク」。活気溢れる時代から30年の時を経て、今は厳しい状況に陥っているが、町に住む人々にとっては最後の砦となる止まり木のような存在だ。店主のTJ・バランタインは、試行錯誤しながらなんとかパブを維持しているが、町がシリア難民を受け入れ始めたことで、パブは居場所を争う諍いの場になってしまう。先行きを危ぶむTJだったが、カメラを持ったシリアの女性ヤラと出会い、思いがけない友情を育むことになる。果たして、彼らは、互いを理解する方法を見つけられるのだろうかー?



解説


分断と排斥の世に放つ
ケン・ローチ監督最後のメッセージ


市井の民を見つめ、彼らの生活と闘争を描き続けてきたイギリスの巨匠、ケン・ローチ監督。彼が自ら「最後の作品」と語っているのが第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『オールド・オーク』だ。『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く「イギリス北東部3部作」の最終章となる本作の舞台は、とある炭鉱の町で最後に残ったパブとして親しまれていた「オールド・オーク」。人々が集い、安らぎを見出す場所だったはずのパブは、シリア難民の受け入れにより、諍いの場に変貌してしまう。オーナーのTJはシリアから来た女性ヤラと出会い、友情を育む中で、困窮する町の人々とシリア難民のための食堂を開こうとするが…。数々の名作を共に世に送り出してきた脚本家ポール・ラヴァティとのタッグによる、社会と人々への温かくもリアリズム溢れる眼差しが映し出すドラマは、深い感動を呼び、世界中で激賞されている。現実社会にも起こっている分断や争いと、違いを受け入れながら共存していくことへの希望についての考察を我々に促すだろう。


ケン・ローチ Ken Loach


英ウォリックシャー州出身。オックスフォード大学に進学後、BBCでテレビドラマやドキュメンタリーを手掛ける。67年、『夜空に星のあるように』で映画監督デビューを果たし、続く『ケス』(69)も高い評価を得る。『麦の穂をゆらす風』(06)、『わたしは、ダニエル・ブレイク』(16)でカンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを2度受賞している。近作は2019年カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた『家族を想うとき』。

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第78回 カンヌ国際映画祭(2025年)パルムドール受賞
第98回 アカデミー賞(2026年)脚本賞・国際長編映画賞(フランス代表)ノミネート
第83回 ゴールデングローブ賞(2026年)作品賞、監督賞、脚本賞、非英語作品賞ノミネート


<報復殺人>の行き着く先はー
イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督最新作


イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督が自身の二度にわたる投獄経験と、刑務所で出会った人々のリアルな声から着想を得て手がけた本作は、2025年・第78回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞した。『チャドルと生きる』(2000)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』(2015)でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しており、本作のパルムドール受賞により世界三大映画祭のすべてで最高賞を獲得。これは史上4人目の特筆すべき快挙となった。

2025年製作/103分/G/フランス・イラン・ルクセンブルク合作
原題または英題:Un simple accident
配給:セテラ・インターナショナル


あらすじ



かつて不当に投獄されたワヒドは、ある偶然の事故によって、⼈⽣を奪った残忍な義⾜の看守と出会う。ワヒドは咄嗟に男を拘束し、荒野に⽳を掘って埋めようとするが、男は「⼈違いだ」と⾔う。実はワヒドは、看守の顔を⾒たことがなかった。男は、本当に復讐相⼿なのか。⼀旦復讐を中断し、看守を知る友⼈を訪ねるが・・・。




解説


世界三大映画祭すべての最高賞を制覇!


ウェス・アンダーソン、アリ・アスターら著名監督の新作や『センチメンタル・バリュー』『シークレット・エージェント』などの話題作が集まった第78回カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールを受賞。イラン政府からの弾圧で映画制作や渡航を禁止されながらも、映画を作り続けてきたジャファル・パナヒ監督。『チャドルと生きる』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、本作で世界三大映画祭すべての最高賞を制覇、闘う巨匠へ世界が熱狂的な賛辞を贈った。第98回アカデミー賞 脚本賞・国際長編映画賞(フランス代表)にノミネートされ、オスカー受賞も有力視される必見の一作。


ユーモアとスリルに満ちた
社会派サスペンスの最高峰


ある”偶然の事故”を発端とする本作は、パナヒ監督自身の二度の投獄経験や同じ境遇の人々の声から着想を得て映画化。主人公ワヒドが出会った男は、本当に復讐を果たすべき相手なのか?不当に投獄された過去を持つ男女が憎い看守へ復讐を果たそうと迷走する予測不能な物語は、渦巻く重厚なスリルと深遠なミステリー、人間味豊かなユーモア、そしてイランの現実が渾然一体となり、斬新な社会派サスペンスへと変容を遂げていく。戦慄を誘う衝撃なラストシーンは、誰かと語り合わずにはいられない。強烈な映画体験がここにある。

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第29回 釜山国際映画祭(2024年) ワイドアングル部門 - 最優秀ドキュメンタリー賞 受賞


“この島”の明日はどこに向かっているのだろう――


香港の離島・長洲にある小さな食堂を舞台に、そこに集う島民たちの姿を通して変わりゆく世界を見つめたドキュメンタリー。監督は、本作が初の長編ドキュメンタリー作品となるフランキー・シン。長洲出身で自身も「日泰食堂」に通い詰めていたシン監督が、家族のように接していた人たちが時代の変化とどのように向き合い、日々の営みを重ねてきたのかを丁寧に映し出す。第29回釜山国際映画祭にて最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

2024年製作/83分/G/台湾・香港・フランス合作
原題または英題:日泰小食 Another Home
配給:太秦


あらすじ



香港島から南西へ、船で30分ほど行ったところにある、小さな島・長洲。島のなかには、いくつもの細い路地が走り、車の姿はない。港には色とりどりの船が浮かび、漁村としても知られる穏やかな時間が流れている。そんな島にある一軒の食堂。連日、この島で暮らす人びとが行き交い、にぎわいに満ちている。島民たちは集まれば、ビールを片手にトランプやマージャンを嗜む。しかし、社会の変化、活発な市民の熱気は、香港島から離れた周縁の島にも伝わり、食堂に集う常連客たちも、無関心ではいられない。テレビをじっとみつめる店主。懸命に情報を追う若者たち。それぞれの立場、それぞれの距離感で時代のうねりを受け止めていく。やがて世界を覆ったパンデミックは、この小さな食堂にも大きな影響をもたらしていく――。




解説


周囲の世界が変わりゆく中、
そこにある確かなまなざしを実直に描き出した
香港の小さな島にある食堂の物語


監督は、本作が初の長編ドキュメンタリー作品となるフランキー・シン。生まれ育った長洲で、自身も通い詰めていた食堂「日泰食堂」。家族のように接していた人びとが時代の変化とどのように向き合い、日々の営みを重ねてきたのかを丁寧に記録した。変わりゆくものと変わらずそこにありつづけるもの。やわらかな記憶と確かな生活の時間が積み重なっていく。2024年度釜山国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した、あらゆる世代のまなざしが折り重なるこの映画が、日本公開を迎える。


Director
フランキー・シン


1989年、香港・長洲生まれ。
国立台湾芸術大学卒業後、絵画から映像芸術、ドキュメンタリー制作へと転身。作品は故郷、ジェンダー、帰属意識といったテーマを探求している。
『この作品は私の初長編ドキュメンタリー作品です。舞台は生まれ故郷の小さな島、長洲にある素朴な食堂。血の繋がりはないけれど、長年の想いと絆で互いを支え合う「選んだ家族」の物語です。周囲の世界が変わりゆく中、彼らが共に築いたものを守ろうとする姿を描いています。これは香港の物語——しかし私たちがよく目にする類のものではない。私はこの街の、静かで温かく、漁村の精神に満ちた一面を描きたかった。日常が親密で地に足がついていると感じられる場所を。映画の中でこのような言葉が出てきます「ある場所に長く居続けると、魂の一部もそこに残るものだ」と。このドキュメンタリーを通じて、その想いが伝わり、観る方にも長洲の小さな一片を胸に抱いていただければと願っています。』

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