上映予定の映画



第77回カンヌ国際映画祭(2024年) 特別招待作品
第61回台北金馬奨(2024年) 劇映画部門 最優秀作品賞・監督賞受賞

第25回東京フィルメックス(2024年)  観客賞受賞


コロナ禍についての
まったくユニークで重要な映画


『天安門、恋人たち』などの名匠ロウ・イエ監督が、中国・武漢に近い都市を舞台に、映画制作に携わる人々の姿を通してコロナ禍の「集団的トラウマの記録」をリアルに描いた作品。
フェイクドキュメンタリーのスタイルを採りながら、コロナ禍で実際に撮影されたスマホの映像を盛り込んで多層的に描きだす。2024年・第77回カンヌ国際映画祭では特別招待作品としてドキュメンタリー部門にて上映され、第61回台北金馬奨では劇映画部門の最優秀作品賞・監督賞を受賞した。第25回東京フィルメックスで観客賞を受賞。

2024年製作/107分/G/シンガポール・ドイツ合作
原題または英題:⼀部未完成的電影 An Unfinished Film
配給:アップリンク


あらすじ



監督のシャオルイ(マオ・シャオルイ)は、10年前に中断されたクィア映画の撮影を再開するため、キャストとスタッフを集め説得する。そして2019年、10 年間電源が入っていなかったコンピューターを起動した。2020年1月、撮影がほぼ完了した矢先、新種のウイルス(コロナ)に関する噂が広まり始める。不穏な空気が漂う中、武漢から来たヘアメイクが帰宅を余儀なくされ、スタッフ達はスマホでニュースを追い続ける日々を送る。一方、シャオルイ監督は再び撮影を中断するかどうかの決断を迫られる。そんな中、一部のスタッフと俳優はホテルが封鎖される前の脱出に成功するものの、残ったスタッフはホテルの部屋に閉じ込められたまま、すべてのコミュニケーションがスマホの画面だけに制限される。そして武漢はロックダウンする。スタッフたちはビデオ通話を通じて連絡を取り合い、ホテルに閉じ込められたままの主演俳優のジャン・チェン(チン・ハオ)は、北京で1か月の赤ん坊と共に部屋に閉じ込められている妻サン・チー(チー・シー)を元気づけようと奮闘する。




解説


コロナパンデミックの「集団的トラウマの記録」をリアルに描いた傑作


映画の冒頭、10年前に撮影された未完成のクィア映画を完成しようとスタッフが集められる。そこで編集用のモニターに映し出される映像は、ロウ・イエ監督の過去作『スプリング・フィーバー』(2009)『二重生活』(2012)『シャドウプレイ』(2018)などの映像。それらの作品の主人公を演じたジャン・チェン(チン・ハオ)が俳優役としてスタジオに訪れる。シャオルイ監督と話し合いが行われ、撮影が再開される。映画は虚実が交錯する設定で始まる。
映画制作は無事に開始されるが、未知のウィルスに関する不確かな情報が錯綜する中、ホテルはロックダウンされ、スタッフ達はホテルに閉じ込められる。劇中では、コロナ禍で実際に撮影されたスマホの縦型動画が次々とスクリーンに映し出される。


『天安門、恋人たち』以来の最高傑作


本作は、2024年第77回カンヌ国際映画祭特別招待作品として上映されると同時に、映画祭でドキュメンタリー作品に与えられる「金の眼賞」にもノミネートされた。英ガーディアン紙に「コロナ禍についての、まったくユニークで非常に重要な映画。『天安門、恋人たち』以来の最高傑作。☆☆☆☆☆。」と絶賛の評が掲載された。
2024年11月の中華圏最大の映画祭、台北金馬映画祭では、金馬奨の劇映画部門の最優秀作品賞と監督賞のダブル受賞。BBC中国語において高雄映画祭のディレクターを務めたチェン・ビンホン氏は「COVID-19により中国は大きく揺らぎました。ただ映画ではそのことを明確には語りません。中国の第6世代の監督であるロウ・イエは対立を求めるのではなく、ただ現実をリアルに映し出そうとしています」と評した。
ドキュメンタリーと劇映画の要素を融合させたフェイクドキュメンタリーという形式に加え、コロナ禍で実際に撮影されたスマホ映像を織り交ぜることで、虚実が多層的に交錯する映画となっている。

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