cinepos × 下関市立考古博物館 共催
シネマポストの支配人を務めている鴻池和彦が監督したドキュメンタリー作品『時と土』の上映イベントを開催いたします。
イベント内容
〈第1部〉※料金無料
◆鴻池和彦監督作品『時と土』上映(上映時間25分)
◆学芸員 小林善也氏と鴻池監督による映画解説
〈第2部〉※料金:1,000円(税込)
◆wind rumor ミニライブ(映画挿入曲提供)
日時
5月11日(日)(2回開催)
1回目
第1部 13:00~13:45
第2部 13:50~14:20
2回目
第1部 15:00~15:45
第2部 15:50~16:20
参加方法
予約ページよりご予約ください
※席数は22席となっております
昭和40年代前半、文化財保護と産業振興、
どちらを優先するかで大きく揺れ動いた時代。
そのことを覚えている人は今の下関市民には少ないのかもしれません‥
国史跡綾羅木郷遺跡に隣接し、平成7年(1995)5月13日に開館した下関市立考古博物館。その成り立ちは昭和44年(1969)3月11日の綾羅木郷遺跡の国史跡指定に起因し、遺跡を通して下関市の歴史の奥深さを市民と共有し、文化財の愛護意識を次世代へ繋ぐための考古学専門の博物館として具現化されたものである。そこに至る道程は決して平坦なものではなく‘遺跡破壊’という時代価値観の衝突を招いた歴史を忘れることはできない。本作品では当時の発掘側の中心メンバーでもあり、現在日本考古学協会シニアフェローとして現役の考古学研究者である伊東照雄氏のインタビューを軸に、地権者、採掘業者、行政、ボランティア、それぞれの立場から当時の綾羅木郷遺跡に該当する場所で何が起こったのかを掘り下げていく。本作品の構成と監督を、金子雅和監督『リング・ワンダリング』(2021)、グ スーヨン監督『幽霊はわがままな夢を見る』(2023)等これまで数々の商業映画のプロデューサーを担い、自身も多種多様な映像制作を手掛けてきた鴻池和彦(cinepos)が務めている。
綾羅木郷遺跡とは
響灘沿岸にある我が国を代表する弥生時代の集落遺跡。この遺跡は、西日本で最大規模の拠点的な弥生時代の集落として知られている。これまでの発掘調査で1,000基をこえる貯蔵用竪穴と呼ばれる穴倉や集落をめぐる環濠が確認されている。貯蔵用竪穴や環濠からは、多量の弥生土器や石器をはじめ、炭化した穀物や果実、魚骨や貝殻、獣骨なども発見、下関市立考古博物館で展示されている。なかでも日本で初めて発見され、綾羅木郷遺跡のシンボルとなっている「土笛」や山口県の弥生時代の顔表現として最古級の「人面土製品」が出土している。綾羅木郷遺跡から出土する弥生土器は地域ならではの姿かたちをしていることから「綾羅木式土器」と名付けられ、山口県の弥生土器を代表する。綾羅木郷遺跡は市民・研究者・行政が一体となって行った発掘調査と保存運動により、産業開発をとるか遺跡保存をとるかという激動の時を経て、我が国の文化財保護のあり方に一石を投じた遺跡であることも忘れてはならない。昭和44年(1969)3月11日に異例の緊急指定により国の史跡に指定された綾羅木郷遺跡は下関の弥生人の暮らしを今に伝える遺跡として存在し続けている。
映画挿入曲提供
「wind rumor」 duo unit
accordion なかむら あきこ guitar オザワ マコト
美しい地球の風景や人々の様々な想いをオリジナルの楽曲で表現風の音を紡ぎ祈りの音を奏でる北九州市門司区喜多久の「wind rumor house」を拠点に各地で演奏活動を展開中
公式Instagramはこちら
登場人物
伊東 照雄
日本考古学協会シニアフェロー
昭和9年(1934)生まれ
下関市立考古博物館初代主任研究員。綾羅木郷遺跡の発掘調査当初から現地調査と遺物整理を主導。
岡川 智嘉
(当時)綾羅木郷遺跡付近の地権者のご子息
昭和34年(1959)生まれ
当時は小学生。岡川家は物心両面で綾羅木郷遺跡の発掘調査に協力。
弘中 忠之
珪砂採掘業者
昭和48年(1973)生まれ
九州事業所長、綾羅木郷遺跡の珪砂採掘を行った事業者。実父が当時の珪砂採掘工事に従事。
濱﨑 真二
下関市立考古博物館 第9代 館長
昭和39年(1964)生まれ
これまで、綾羅木郷台地遺跡をはじめとする数多くの市内遺跡の発掘調査を担当。
永島 洋平
当時大学生で発掘調査に参加
昭和23年(1948)生まれ
現在、下関市立考古博物館ボランティアスタッフ。