第73回 ベルリン国際映画祭 審査員特別賞
新たな命が生まれるこの場所で、「人生」が交差する
若い助産師たちが出産に立ち合い、突きつけられる現実に驚きながらも成長してゆく様を、ドキュメンタリーのようなリアルなタッチで描いた本作。実際の出産シーンを織り交ぜながら、観客がその場に立ち会っているかのような臨場感で描き出す。監督は『愛について、ある土曜日の面会室』(2009年)がヴェネチア国際映画祭正式出品を始め、ルイ・デリュック賞等受賞のレア・フェネール。自身の体験を基に、フランスのみならず、どこの国でも誰もが直面する普遍的なストーリーに、熱い共感の声が寄せられた。
2023年製作/100分/フランス
原題:Sages-femmes
配給:パンドラ
あらすじ
あるフランスの産科病棟。念願の助産師の仕事に就いたソフィアとルイーズが初出勤すると、そこには想像を超える壮絶な仕事場が待っていた。常に何人もの担当を抱え走り回る助産師たち。ケアされるための十分な時間がないなか運ばれてくる緊急の産婦たち。患者の前で感傷的になるな、とルイーズがベテラン助産師ベネに厳しく叱責される一方、ソフィアは無事に出産を介助し周囲の信頼を勝ち得ていく。そんなある日、心拍数モニターの故障から、ソフィアが担当した産婦が緊急帝王切開となり、赤ん坊は命の危険にさらされる─。さらには産後行くあてのない移民母、未成年の出産、死産したカップル…生と死が隣り合わせの現場で、二人は一人前になれるのだろうか?
解説
新人助産師の初出勤
ようこそ、過酷を極める助産師の世界へ
5年間の研修を終えたルイーズとソフィアは、念願の助産師として働き始めるが、その期待に反するように緊張感が大きくのしかかる。貧困、移民、死産・・・様々な事情を抱えて訪れる人々。オーバーワークとストレスに押しつぶされそうになりながらも、新しい命に出会う日々の喜びが助産師たちの結束を強めていくのだった――。
本作は、若い助産師たちが出産に立ち合い、突きつけられる現実に驚きながらも成長してゆく様を、ドキュメンタリーのようなリアルなタッチで描いた感動作だ。実際の出産シーンを織り交ぜながら、観客がその場に立ち会っているかのような臨場感で描きだす。
レア・フェネール
Léa Fehner
1981年10月15日フランス・トゥールーズで、移動劇団の家族に生まれる。フランスの国立映画学校La fémisで映画制作と脚本を学ぶ。学生時代、カンボジアで映画監督リティ・パンに師事。初監督作品『愛について、ある土曜日の面会室』(2009年)は2009年のヴェネチア国際映画祭やドーヴィル・アメリカ映画祭を始め数々の映画祭で受賞。ルイ・デリュック賞新人監督賞を獲得、セザール賞にもノミネートされた。長編第二作‟Les Ogres”(2016年)がロッテルダム国際映画祭でビッグ・スクリーン賞受賞。その後、2022年サンセバスチャン映画祭で受賞したディナラ・ドルカロヴァ監督の “Woman at Sea”など、複数の作品の脚本に関わる。
自身の家族の体験を基に、フランスのみならず、どこの国でも誰もが直面する普遍的なストーリーに、熱い共感の声が寄せられている。
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