あなたのさよなら、代筆します。
脚本家として成功するという夢にやぶれた男性が弔辞の代筆業を通じて成長する姿を描いた中国発のヒューマンドラマ。「鵞鳥湖の夜」のフー・ゴーが主演を務め、「西湖畔に生きる」のウー・レイが同居人シャオイン役で共演。中国インディペンデント映画界の俊英リュウ・ジャインが監督・脚本を手がけ、人々の人生模様や死生観を織り込みながら描きだす。2023年・第25回上海国際映画祭にて最優秀監督賞と最優秀男優賞(フー・ゴー)を受賞。第36回東京国際映画祭では「耳をかたむけて」のタイトルで上映。
2023年製作/119分/G/中国
原題または英題:不虚此行 All Ears
配給:ミモザフィルムズ
あらすじ
主人公のウェン・シャンは大学院まで進学しながら、脚本家として商業デビューが叶わず、不思議な同居人シャオインと暮らしながら、今は葬儀場での〈弔辞の代筆業〉のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材による弔辞は好評だが、本人はミドルエイジへと差し掛かる年齢で、このままで良いのか、時間を見つけては動物園へ行き、自問自答する。同居していた父親との交流が少なかった男性、仲間の突然死に戸惑う経営者、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など、様々な境遇の依頼主たちとの交流を通して、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくりと進みだす。
解説
フー・ゴー×ウー・レイ、中国が誇るトップスターの共演
人生の回り道を優しく包み込む静謐なヒューマンドラマ
弔辞作家の日常というユニークな題材を軸に、人々の人生模様や死生観を繊細に織り込んだヒューマンドラマが誕生した。主演は、華やかな時代劇スターから近年では『チィファの手紙』(18/岩井俊二)や『鵞鳥湖の夜』(19/ディアオ・イーナン)で内面を掘り下げた演技で芸域を広げる国民的人気俳優のフー・ゴー。同居人のシャオイン役は、『西湖畔に生きる』(23)で圧巻の演技を披露し、本作がフー・ゴーと三度目の共演となるウー・レイ。卒業制作『Oxhide(英題)』(05/原題:牛皮)で、第55回ベルリン国際映画祭でカリガリ映画賞と国際映画批評家連盟賞を受賞したリウ・ジアイン監督が、長年の思索を重ねて熟成させた14年ぶりの待望の新作。名匠ジャ・ジャンクー(『長江哀歌』『新世紀ロマンティクス』)やディアオ・イーナン(『薄氷の殺人』)も絶賛する、柔らかで洗練された確かな力を感じさせる本作は、第25回上海映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞(フー・ゴー)を受賞した。
フー・ゴー[胡歌](ウェン・シャン役)
1982年、中国・上海生まれ。幼少期からテレビCMに出演するなど芸能活動を開始し、上海戯劇学院で演技を専攻しながら、大ヒット武侠ドラマ『仙剣奇侠伝』(05)で主演を務め注目を集める。2011年にはジャッキー・チェン主演映画『1911』(11)に出演し、百花賞最優秀新人賞にノミネートされる。本作『来し方 行く末』では、第25回上海国際映画祭にて最高賞である金爵賞の最優秀男優賞を受賞。また、ウォン・カーウァイが監督を務め社会現象となったTVシリーズ『繁花(原題)』(23)で第29回釜山国際映画祭アジアコンテンツアワードにて最優秀主演男優賞を受賞。映画出演作に、『チィファの手紙』(18/岩井俊二監督)、第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作『鵞鳥湖の夜』(19/ディアオ・イーナン監督)、『最高でも、最低でもない俺のグッドライフ』(24/ロン・フェイ監督)ほか。
ウー・レイ[呉磊](シャオイン役)
1999年、中国・上海生まれ。3歳からテレビCMに出演。2006年にはTVシリーズ『楊家将伝記 兄弟たちの乱世』にて、フー・ゴー演じる主人公の幼少期を務め注目を集める。その後、TVシリーズ『琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~』に続き、本作『来し方 行く末』でフー・ゴーと3度目の共演を果たした。そのほか、『蒼穹の剣』(18)『クロスファイア』(20)、『長歌行』(21)、『星漢燦爛<せいかんさんらん>』(22)など多数のTVシリーズで主演を務めたことから、中国国内のみならず日本も含めたアジア圏で絶大な人気を誇る。映画作品では、チャン・イーモウ監督作『SHADOW/影武者』(18)、第36回東京国際映画祭にて最優秀男優賞にノミネートされた『西湖畔に生きる』(23/グー・シャオガン監督)など話題作への出演が続いている
オフィシャルサイトはこちら >>